最高裁判所第二小法廷 昭和35(オ)320 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人高野寛治の上告理由第一点について。
原判決の引用する第一審判決理由中所論の部分は、所論の日上告人の母Dが怪我
をした事実は認め得るけれども、右怪我の原因に関しDが医師に述べたところは信
用し難い、という趣旨にほかならないものと解すべきである。されば、原判決には
所論の違法なく、論旨は理由がない。
同第二点について。
原判決引用の第一審判決理由判示の事情のもとにおいて、被上告人がやむを得ず
夫たる上告人の印を無断使用して入院しても、未だ適法な離婚原因とはならない、
という原審の判断はまことに正当であつて、右無断使用の結果が所論保証書偽造行
使にあたるや否やの如きは、右判断の正当性に何ら影響を及ぼすものではない。
然りとすれば、所論保証書の偽造行使を認めなかつた理由の判示につき仮に違法
の点があるとしても、原判決破棄の理由とするに足りないこと明らかである。論旨
は、理由がない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 池 田 克
裁判官 奥 野 健 一
裁判官 山 田 作 之 助
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